11月の茶事!はんぺんしんじょと春菊のクルミあえ

今日はお茶のお稽古の仲間のシホさんとイクコサンに先日の茶事でおいしかった彼女たちの料理を教えてもらいたいとおもって

茶事って?

はじめに

茶事とは

濃茶をおいしく召し上がっていただくために前もって一汁三菜の食事(懐石料理)をしてもらい、濃茶、薄茶をいただくというものである。正午の茶事が一般的だが、夏の暑い時間をさけて行う朝茶事や夜の長い季節を楽しむ夜咄し茶事などもある。

今回の茶事は正午の茶事だったのよ。ほかに朝茶事とか、夜咄茶事、飯後の茶事など、いろいろあるわね。

どんな流れなの

茶事の流れ

客は寄り付きというところで香煎茶をいただいた後、外待合で亭主の迎えを受け、蹲で手などを清め、部屋に入る。炭手前の後、懐石料理、濃茶の菓子をいただき、一度退席(中立)。そしてまた席入りし、濃茶をいただき、後炭手前があり、干菓子、薄茶をいただいて終了となる。時間はだいたい4時間ほどかかる。(風炉の場合は最初に懐石をいただき、そのあと炭手前となるので、順番としては懐石、初炭、菓子、中立、濃茶、後炭、干菓子、薄茶の順になる)

懐石料理はお濃茶、お薄を召し上がる余裕を残してお出ししなくてはいけないのよ

腹八分目ってやつですか。って、懐石料理ってどんなの?

懐石とは

茶事に組み込まれた膳組作法である。旬の材料を用いて、素材の持ち味や季節感を生かした料理のことである。

懐石の流れ 

まず、飯、汁 向付(お刺身やなます)がのった折敷の膳がでる。折敷全体に露が打たれている。汁椀、飯椀の蓋などにも打たれている。風炉の時期(5月から10月)露は夏に向かって増やし、秋に向かって減らす。

客はご飯と汁を最初に交互にいただく。いただいた飯椀、汁椀の蓋は閉めておく。向付は酒がでてから手をつける。

燗鍋(酒)が出る。客は盃に酒が注がれた酒を一口飲んでから向付をいただく。客は盃を向付の右隣に置く。

飯器1回目と汁替えがある。客は飯器の蓋を末客まで渡す。そのあと、各々ご飯をよそい、飯の蓋を閉めておく。汁替えが全員終わったら一緒に蓋をあけていただく。

煮物椀がでてきて客全員の分がそろったら一緒にいただく。

酒2献目となる。燗鍋を客に預けられるので皆で酒をいただく。隣り同士づぎあいながら酒をいただく。

焼物、預鉢、強肴などがでてくる。客は向付の器を懐紙で清め、そこに焼物や預け鉢などを取り置く。そのために、客は懐紙で清めたものなどを入れておく袖落とし(残菜入れ)たるものを用意しておく。

2回目の飯器がでる。汁替えもある。客は汁替えが十分であれば辞退してよい。客はでてきた食事をいただいたあと、焼物、預鉢、強肴などのもりつけられていた器の拝見する。拝見したあと末客は器、燗鍋、などを茶道口に戻し、盃台を正客に預ける。

小吸物または、箸あらいというお吸い物がでる。客は皆に出揃ったら一緒にいただく。

3献目のお酒と八寸「千鳥の盃」。亭主と客のお酒の飲みかわしを行う。

湯斗と香の物(香の物は沢庵必須)。おこげがはいった茶漬けのようなものがでる。湯斗のいただき方はまず、湯斗の蓋を末客に送る。次に向付が入っていた器に香の物をとり、そのあと、ご飯と汁の器の蓋をとり、そこに杓子で湯斗の中に入っているおこげを掬い入れ、そのあと、そこに湯斗から湯を注ぎ、湯斗を隣に渡して、各自それぞれいただく。

客はいただいた後折敷に載っている器をすべて懐紙で清める。箸も清める。また、正客は千鳥の盃の時に盃を納配しているが、次客以下は仰向けにした飯椀の上に盃をのせる。箸を落とし、亭主に合図を送り、膳がさげられ、懐石の食事は終了である。

ここまでが懐石の流れである。

茶事はこの後、主菓子(濃茶用のお菓子)が運ばれる。客は主菓子をいただいた後、一度中立というのがあり、部屋をでる。そして、席が改められたらまた部屋に入り、濃茶をいただく。

後炭の後、干菓子、薄茶をいただく。

亭主は客を見送って茶事が終了

 

濃茶とは 約4g(小さじ2杯半)の抹茶で少し、とろりとした形のお抹茶で回し飲みが基本であるが、コロナ禍になってから各服点をおこなっている。(各服点とは一人前の濃茶)

薄茶とは 約1,5g(小さじ1杯ほど)ほどの抹茶を入れ、お湯の温度は80度ほどで点てる。

抹茶には濃茶用、薄茶用と種類がある。

参考文献 イラストでわかる茶懐石のいただき方

そんなに長いんだね。でも、作法は大変そうだけど、いろいろ食べ物がでてきて一度経験してみたいな

ぜひ!

じゃあ、今日はその中で、でてきた煮物椀と強肴っていうのを教えてもらうんだね。

そうね

はい!まかせてください。モカちゃん、レイコさん!簡単ですよ。

私のも簡単よ

では、まず、はんぺんしんじょからお願いします

はい、この間の茶事ではエビ(5尾100g)を使用しましたが、今回はカニのおいしい季節なのでカニでいきます。

それではやっていこう

はんぺんしんじょ(カニ編) 4人分

用意するもの

・ボウル

・鍋

・へら

・ビニール袋

・泡立て器

材料

・はんぺん 1枚

・卵黄 1個分

・亜麻仁油(サラダ油でも可) 大さじ2

・カニの身  約50g(カニの缶詰でもよい)

・片栗粉 大さじ1

・塩 小さじ1/4(カニの缶詰使用の場合はいらない)

汁の具材として 

   小松菜 一束 エリンギ1本 人参3センチほど ゆずの皮 

 ・だし汁 3カップ

 ・酒 大さじ1

 ・しょうゆまたは、薄口しょうゆ 小さじ1

 ・塩 少々

作り方

1.はんぺんを袋の上からよくほぐしてよくつぶす。うまくつぶれないときはめん棒やスプーンでつぶす。

2.ボウルに卵黄を入れ、油を大さじ2を少しずつ入れながら、泡だて器でよくまぜて、乳化させる。マヨネーズをつくる要領で、絶対に油を一気に入れないこと。一気にいれると分離してしまうので注意すること。

3.2に1のはんぺんを入れよく混ぜる。そしてそこにカニをほぐし入れまた混ぜる。そのあとに片栗粉大さじ1と塩小さじ1/4を入れよく混ぜる。(カニの缶詰の時は塩は不要)

4.汁の具材の小松菜を長さ半分にする。エリンギを4等分にする。にんじんを2~3ミリの厚さにイチョウ切りまたは、短冊切りにする。

5.お鍋にだし汁と酒、塩、しょうゆを入れて、具材を入れ、火にかけ、煮立ったら、必ず弱火にして、3をピイポン玉ぐらい整えてお鍋に落とし入れる5分ほど煮て、ふっくらとたら取り出す。(火加減注意。弱火にしないとしんじょが崩れる)

6.具材が柔らかくなり煮えたら、お椀にできたしんじょを入れ、具材と汁をそそいで、ゆずの皮を飾ればできあがり。

注意 つぶしたはんぺんとカニをよく混ぜるとなめらかでくずれないしんじょができる。エリンギのかわりにシイタケやマイタケでもよい。

参考文献 レタスクラブ

野菜のおだしもでているのかしら?おいしいわよね

私はぜーんぶ材料をフードプロセッサーに入れて混ぜるだけでつくっちゃいます

なんか私にもできそう・・・。茶事の時のエビしんじょは何分ぐらいでだし汁から取り出したんですか?

エビも5分ぐらいでOKでしたね

次は春菊のクルミ和え物 イクコさんお願いします。

はい。茶事ではりんごとてんさい糖でつくりましたが、今回は柿とメープルシロップで使ってつくってみましょう。

春菊とクルミの和え物

用意するもの

・ボウル・計量スプーン・鍋

材料

・春菊 1袋

・柿 1個

・クルミ 50g

たれの材料

・メイプルシロップ 大さじ1

・しょうゆ 大さじ1

・和風だしまたは、鰹節  小さじ1/2

作り方

1.春菊は食べやすい大きさに切る。柿は千切りにする。くるみは袋に入れめん棒でただいて細かくする。

2.湯をわかして、沸騰したら、春菊を1分弱ゆでる。

3.ボウルにくるみとたれの材料のしょうゆ、和風だし、メイプルシロップをいれよくまぜ、春菊と柿を加えてあえればできあがり。

参考文献 キッコーマン デリッシュキッチン

春菊はさっとゆでるだけ。レイコさんがよく使うディーツシロップやアガベシロップなど使って作ってもおいしいと思います。今は春菊が旬の野菜だけど、ニラやホウレン草などを使ってもいいと思います。

いくらでも食べれちゃう!

シホさん、イクコサンありがとうございました。
おいしかったですね。ちょっとあらたまったお食事の時にでも、さっと出せて、それでいて高級感があっておいしい!うれしいこといっぱいですね。

次回は?

今年もあと1か月、師走をむかえますね。ドアノブにもクリスマスを。かわいい香り付きのオーナメントづくりをしましょう。お楽しみに~