塗香づくり
11月の後半、だいぶ秋らしくなってきたかしら
やっと葉が色づいてきたみたいだけど全然寒くない
そうね、先日お香づくりに行って来たのよ
塗香ってしってる?
ず、こ、う???
塗香とは
数種類の香木や香料を微粉末にして混ぜたお香で手や身体に塗る。手や身体に塗るだけでも香が、体温で温められてより香りが立つ。本来は宗教的なものでお浄めや邪気を寄せ付けないために使われる。特に密教系のお寺(真言宗や天台宗)で写経する前に手を清めたり、衣服、また心や身体を清める粉として使用。
歴史
インドが発祥の地といわれている。インドが熱帯のため、体臭をけるためにつかったとか。日本には飛鳥時代に仏教が伝えられ(538年)香もその時に伝わる。淡路島に香木が漂着(595年)し聖徳太子が沈水香として鑑定(「日本書記」に記載)。その後、香料などの使い方を伝授したのは鑑真和上が来日(754年)した時といわれている。
参考文献 お香と線香の教科書
塗香の作法(いろいろあるがここでは真言宗の作法)
1.右手の親指と人差し指で塗香をひとつまみ取り、または塗香入れから直接左手の薬指の根のところに置く。
2.次に左手の上に右手をかぶせて両手をあわせたまま、「おせんべいやけたかな」の要領で右、左と2回ひっくり返す。(これは左掌に置いた塗香を右手、左手と移す意味がある)
3.そのまま手のひらをすり合わせて全体に塗香をひろが手の甲から腕、全身へと塗り心と体を清めたと観念する。
参考文献 Shop 308
香木とは
香りがする木のこと 種類は 沈香(じんこう) 白檀(びゃくだん)
沈香 マレーシア、タイ、ラオス、マレーシアなどはタニという種類の物
ベトナムはシャムという種類の物
沈丁花科(アキラリア属・ゴリスチラ属)の常緑高木で幹などに傷がついたところにを自分で治そうとして樹脂がたものがバクテリアなどにより成分が変化したもの
伽羅 沈香の最上級でベトナムの中南部でとれる
沈丁花科(アキラリア属・ゴリスチラ属)の常緑高木で成木から採取されることが多い
白檀 インド、インドネシアなど
ビャクダン科の半寄生の常緑高木の幹や根などからとれる。ビャクダンは他の植物に寄生しながら自分も光合成をして育つという半寄生植物で種のみで増える。常温でも香りが立つので一般的によく知られている。
参考文献 香源
沈香って知ってると思うわ。日本書記という書物に淡路島に香木が流れ着き朝廷に献上されたと言う木なのよ
あ~ 蘭奢待?
それは正倉院に保管されている沈香のことね。あれは黄熟香(おうじゅくこう)ね
沈香で有名なのは伽羅ね
きゃら?きらきらしたなまえだね~
あー うん まあ
ベトナムの一部の地域でしか取れないらしくて、1g数万円するときもあったとか!
わーすごいね
身近な香木は白檀があるわね。
お扇子や数珠でもおなじみね。アロマではサンダルウッドとして有名ね。
おばあちゃんのお扇子、木で出来た~あれか~
あっ❣アロマのフランキンセンスは大好き!
ほかにどんなのがあるの?
香料の種類と主な産地と使い方
香り | 名前 | かな | 産地 | 部位 | 部位 | 使用 | 備考 | ||
香木1 | スーッとする甘味 | 老山白檀 | ビャクダン | インドマイヨール地方 | 白檀科の半寄生高木 | 幹や根の心材 | 鎮痛,瞑想 | サンダルウッド | |
香木1 | 新山白檀 | ビャクダン | インドネシア | 白檀科の半寄生高木 | 幹や根の心材 | 鎮痛,瞑想 | サンダルウッド | ||
香木2 | 沈香 | ジンコウ | マレーシア,ベトナム,タイ | ジンチョウゲ科香木の | 木の中の樹脂 | 鎮痛作用 | ワシントン条約 | ||
香料3 | 桂皮 | ケイヒ | 中国,ベトナム | クスノキ科ニッケイ属 | 樹皮 | 葛根湯,ニッキ飴 | ケーキなどにも使用 | シナモン | |
香料4 | 薬みたいな香り | 丁子 | チョウジ | インドネシアなど | フトモモ科 | つぼみ | 鎮痛剤,スパイス | 口臭消し、防虫剤 | クローブ |
香料5 | フルーティ | 大茴香 | ダイウイキョウ | 中国など | モクレン科 | 実 | スパイス,去痰剤 | 八角茴香 | スターアニス |
香料6 | 甘い感じ | 甘松 | カンショウ | 中国,インド,ヒマラヤ | オミナエシ科 | 草木の根 | ワシントン条約 | 香に奥深さが出る | スパイクナード |
香料7 | お寺の匂い | 木香 | モッコウ | インド,中国 | キク科木香 | 根 | 鎮痛,消炎 | 多くは入れない | 香作りにほぼ必要 |
香料8 | 生姜の香り | 山奈 | サンナ | 中国南部,インド | ショウガ科 | 根 | 他の強烈な香りを和らげる | 日本の山奈とはちがう | 補助的な役割 |
香料9 | 硯で墨をすった香 | 藿香 | カッコウ | インド,マレーシア,中国 | シソ科カワミドリ | 葉と茎 | 風邪薬 | 他の香りを引き出す | パチュリ |
香料10 | さわやかな香り | 俳草香 | ハイソウコウ | インド,中国広東省,台湾,マレーシア | シソ科カワミドリ | 根 | 熱さまし | ||
香料11 | 甘辛く苦めの香 | 零陵香 | レイリョウコウ | インド.イラン(原産国),中国 | サクラ草科の多年草の | 全草 | スパイス | 日本のカレースパイス | |
香料12 | 清涼で優美 | 乳香 | ニュウコウ | アフリカ,アラビア,ソマリア,中近東 | カンラン科の幹 | 樹脂 | 鎮痛,消炎,殺菌 | キリスト教の禁香料 | フランキンセンス |
香料13 | 優雅で強い香り | 龍脳 | リュウノウ | インドネシア,インドネシア | フタバカキ科常緑高木 | 樹の結晶性顆粒 | 去痰剤,樟脳に似ている | 楊貴妃の香り | |
保香14 | バニラ的な甘さ | 安息香 | アンソクコウ | インドネシア,ベトナム等 | エゴノキ科 | 樹脂 | 鎮咳鎮痛 | 香の安定、補助剤 | ベンゾイン |
保香15 | タンパク質の匂い | 貝香 | カイコウ | アフリカ,中国 | 巻貝の蓋 | 粉末 | 単独では変な匂い | 香の安定 | |
保香16 | 官能的な動物臭 | 麝香 | ジャコウ | チベット、中国広東省 | ジャコウジカの雄 | 生殖腺の分泌物 | 溶剤で薄め香原料 | 調合で香が変貌 | ムスク |
保香17 | 竜延香 | リュウゼンコウ | マッコウクジラ | 病的結石 | 捕鯨禁止で入手不可能 | 合成香料が開発 | アンバーグリス | ||
基材18 | かすかに甘い香 | 椨粉 | タブコ | 南九州,台湾,中国,インド,タイ | クスノキ科椨 | 樹皮 | 接着剤として | 線香の基材 | |
基材19 | 木の香り | しな粉 | シナコ | インドネシア、タイ | しなの木 | 樹皮 | たぶ粉より粘り気強い | 線香の基材 | |
基材20 | 炭粉 | スミコ | 日本、中国 | クヌギ,樫の木など | 木炭を粉末 | カビ防止 | 着火を良くするため | ||
基材21 | 杉の葉 | スギノハ | 日光,九州八女,愛知県三河山間部 | 杉の葉 | 殺菌効果 | 杉線香、煙が多し | 杉玉 |
参考文献 お香と線香の教科書 香源
龍脳って、樟脳の匂いだね
似てるわね!
なんか和のアロマみたいだね
材料はどこで買えるの?
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お教室とかもあるのかな?
そうね、手作り塗香セットを販売している薫物屋香楽がいいのでは!
いつもエッセンシャルオイルにお世話になっていたけど日本にも塗香というものがあったなんて発見でした!
ほんとね~
次回は茶道で使う練香の講義を受ける予定。
また、お伝えしますね。では~
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