モカちゃん冷凍の青梅で梅酒作りに挑戦

モカちゃん冷凍の青梅で梅酒作りに挑戦

はじめに

レイコさん、梅酒づくりで質問が何個かあって

梅のこと?

まずは容器のこと、梅が1キロだったら、容器はどのくらいのものを用意すればいいの?

梅の4倍よ。1キロの場合は4ℓの容器がいいわね。梅を入れるから広口瓶で。このごろ、プラスチックのものもでてきているわ。

そうなのか。それに、ホワイトリカー1.8リットルだよね?

そうね、ホワイトリカーは無味無臭だからいいとおもうわ。今は果樹酒づくりのブランデーや日本酒があるので、いろいろ楽しんでみて。ただ、できればアルコール度数は35パーセント以上のものがいいわね。今年はウォッカとか度数が高いものでつくってみたいわ。

どうしてアルコール度数35パーセントのものがいいの?

アルコール度数とは

温度が15℃の時、100ml中に含まれるエチルアルコールの割合を示す数値でる。○○%や○○度数は同じ意味である。

お酒によってアルコール度数が違うのはなぜ?

アルコールがつくられるのにはアルコール発酵という化学反応、いわゆる糖分を酵母が分解しその結果アルコールと二酸化炭素ができる反応。アルコール発酵には主に3種類あり、単発酵 複発酵 並行複発酵である。この発酵の違いでアルコール度数も変わる。そして、これらの発酵の後できた醸造酒を蒸留することで高い度数のアルコールができる。

単発酵とは 原料をそのまま発酵させてできる醸造酒のことでワインなどがそうである。ワインはブドウに含まれる糖分が酵母によって分解され、アルコールができる。なので、ワインは単発酵酒である。その昔、ワイン造りは、熟したぶどうを大きな桶に入れ、足で踏んで果汁を搾るところから始ったといわれている。

複発酵とは まず、原料を糖化した後発酵という2段階を踏む発酵でできる醸造酒のことでビールなどがそうである。ビールなどの原料は麦なので糖分が少ない。まず、糖分を作るために麦などに含まれるでんぷん質をアミラーゼという酵素が分解し、そして、つぎに酵母を入れてアルコール発酵させて作る醸造酒。

平行複発酵とは 糖化と発酵が同時にすすむ醸造酒のことで、日本酒などがそうである。日本酒は麹が米のでんぷんを糖に変える(糖化)とその糖を次々と酵母によってアルコールに代わっていくので、ビールやワインと違って、20%程度の強いお酒ができあがる。

蒸留とは アルコールを蒸発させもう一度液体にすることによって元のお酒より、アルコール度数の高いお酒になり、それを蒸留酒という。アルコールの沸点は水よりも低いので醸造酒を加熱することによってアルコールが先に蒸発する。蒸留酒はその蒸発したアルコールの蒸気を集めて、もう一度液体にすることにより作られたものである。芋や米、麦などの原料で作った醸造酒から蒸留してできる焼酎。麦や大麦で作った醸造酒を蒸留して樽にいれて熟成させたものがウイスキー。ブドウなどの果実からつくった醸造酒を蒸留して作ったものがブランデーである。

梅酒づくりにはホワイトリカーの35パーセントのものがいいのはなぜか

ホワイトリカー(35%)は果樹酒用の蒸留酒で何度も蒸留してつくる連続蒸留によってつくられた無味無臭の甲類焼酎である。そのため、果実の風味を生かしてくれるので果樹酒づくりに適している。アルコール度数が低くなると果実のエキスを抽出されにくくなるし、長期保存も難しくなる。

甲類焼酎とは 焼酎には甲類乙類があり、甲類焼酎は連続蒸留によってつくられたアルコール度数36%未満の焼酎のことで、明治の終わりに英国から導入された連続式蒸溜でウイスキー造りなどに利用された製造法でつくられたものである。無色透明なので果樹酒を造ったり、無味無臭なので炭酸で割ってサワーなどで飲むのもよい。また、近年、糖質や脂質、プリン体がゼロのヘルシーアルコールとして人気もでてきている。

乙類焼酎とは 昔から日本で造られてきた焼酎で一度だけ蒸溜を行う単式蒸溜でつくられた45%以下の焼酎のことで本格焼酎ともいわれている。一度だけの蒸留なので原料となる米、芋、麦、蕎麦などの風味や味わいが楽しめる。アルコール度は高いが、原料の香りが残っているので果樹酒づくりにはあまりお勧めできないが、麦や芋の香りを楽しむ焼酎としてお湯割りや水割りなどの飲み方がお勧である。

参考資料 農家のレシピ, 梅のある生活, KIRIN, たのしいお酒.JP

そうなんだ! あと、砂糖はらっきょを付けた残りのきび糖でもいいよね?

いいけど、浸透圧の点からか考えると氷砂糖の方が梅のエキスをたくさん出せると思うので、お勧めは氷砂糖ね

浸透圧?って学校でならったやつだよね???

浸透圧とは

浸透圧とは2つの濃度が異なる液体が半透膜(水は通すが砂糖が解けている分子の大きいものは通さないという膜)として隣り合ったとき、濃度を一定に保とうとして、水分の濃度の薄いほうから濃いほうへ移動する圧力のこと。

なぜ、氷砂糖がよいのか

氷砂糖は少しずつ溶けるために梅の実の風味がしっかりとだしてくれる。梅酒を作りたての時は外液より、実のエキスが濃いため梅の実に水分とアルコールが入る。そして氷砂糖が少しずつ溶け出すことによって、梅の実よりも外液の方が濃度が高くなるので、梅の実から水分とアルコールが出ていく。そのためゆっくりと溶け出す氷砂糖がよい。上白糖などだと、すぐに溶けてしまうため、すぐに外液は濃度が高くなるので、梅の実から水分がすぐに出て収縮してしまい、梅の風味がでなくなってしまう。梅の実の皮が半透膜の作用になっているのでしっかり浸透圧を利用して梅酒づくりに生かしたい。

参考資料 株式会社パールエース

おもしろい! 理科の授業も梅酒づくりとかだったらよかったなー。

もかちゃん、未成年でしょ。でもお漬物なんかも、浸透圧を利用しているから、学校の授業もそういうものを作ってやってくれると楽しいかも。

そっか、なら、氷砂糖買ってこなくちゃいけないから今日は梅酒つくれないな。

青梅は傷みやすいから冷凍にしておきましょう。まず洗って、へたを取って冷凍にしておいて。氷砂糖かってきたら、青梅は解凍しないでそのまま使えるわ!

えーそうなの。なら、洗って、へたとって、冷凍して置く

それではやっていこう 

青梅をすぐ使えないときは冷凍青梅にしてから作る梅酒(下に動画あり)

用意するもの(梅1キロの場合)

・4ℓの容器

・ボウル 

・竹串

・キッチンペーパー

材料

・青梅 1キロ

・氷砂糖 500gから1kg

・ホワイトリカー 1.8リットル

作り方

1.青梅を洗い、へたをとり、キッチンペーパーで水気をとってから冷凍保存する。冷凍保存していたものを消毒した保存容器に入れる。

2.次に氷砂糖を入れて、梅、氷砂糖と、交互に入れていく。

3.最後にホワイトリカーを注げば出来上がり。飲むことができるようになるのは3カ月ごろから。

(下の画像はウオッカ750ml、青梅500g 氷砂糖500gで作っている)

出来上がりが楽しみね。作り方でお知らせした材料など下に載せておきました。参考していていただければと思います。

下のこのセットいいかも!

今年の梅酒はウォッカでつくってみました。
次回は6月のお茶菓子で艶干錦玉をつくりましょう。